第3回 「手延べ」と「機械」、何が違うの?
暑い季節になると食べたくなるそうめん。
エアコンが普及した現代でも、御中元の贈り物や夏の食卓に欠かせない「夏の風物詩」ですよね。
スーパーで手軽に買えるものから、黒や金の帯で巻かれて桐箱に並ぶ高級品まで、一口に「そうめん」と言ってもその奥は深くさまざまな違いがあります。
代表的な違いといえば「手延べ」と「機械」に分けられる製法の違い。実は、この違いによってそうめんの味もまったく異なることをご存知でしょうか。
今回はそれぞれの製法の違いについて、マル勝髙田商店の広報さんに話を伺いました。
「機械」と「手延べ」の違い
まず最初に、「手延べそうめん」という言葉は、もちろん手延べで作られたものにしか使用できません。機械でつくられたものは「そうめん」と表記されます。
この「手延べ」が頭に付くか付かないかの違いは、なんといっても味に出ます。
手延べそうめんのつるりとした喉ごしとコシのあるしなやかさは、手延べによってもたらされる「グルテン」の働き。
機械で作られるそうめんは、生地を伸ばしたものをカットして作られています。
それに対し、手延べそうめんは撚(よ)りをかけながら熟成を繰り返して生地を伸ばしていきます。
なんと今回は特別に、そうめんづくりを見学させていただきました。
こうして何度も伸ばしと熟成を経たそうめんは緻密なグルテンが作られ、なめらかでしっかりとしたコシが出来上がります。
何よりも大切にしていること
そうめんは、小麦、水、塩、油、ととてもシンプルな原材料で作り出される食べ物です。
それだけに、素材の持つ特徴や風味は出来栄えに大きく影響を与えます。
マル勝髙田商店では、グルテンが豊富な小麦粉や、イタリア政府公認のオリーブオイル鑑定士によって選び抜かれたオリーブオイルを使用するなど、素材にもこだわっていると担当さんが教えてくれました。
こんなにも丹精を込めて作られるのですから、贈り物に“ちょっといい”そうめんが選ばれるのも納得。たった三文字の「手延べ」には、工程や素材選びなどとても多くのこだわりが詰まっているというお話でした。